Wsb Wsbの紹介ページ。BPM(Beam propagation method)による電磁界解析ソフトWsbについて原理や特長、計算例を紹介します。
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BPM電磁界解析ソフト : Wsb

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 1. 計算原理とバビネの原理
 2. 境界条件の種類、PBCとABC
 3. 透過光、反射光の計算
 4. Snellの法則と偏光の計算
 5. 遠方界の計算、下面側と上面側
 6. 光量計測
 7. 多彩な断面構造の表現
 8. レンズ集光の計算
 9. 計算結果の可視化
 10. 出力ファイルNew 2024/11/12

1. 計算原理とバビネの原理   ▲top

WsbはBPMの高速な演算性能を維持しながら、計算精度はFDTD並みに改善される。その計算原理は下記(1),(2)に示すように、FFT-BPM(Beam Propagation Method)を基本にBabinetの原理を応用した伝搬プロセスを用いる。
(1)  質な媒質内での伝搬をHelmholzの式に基づきFFTを繰り返して計算する(いわゆるFFT-BPM)。Helmholzの式は均質な媒質内では厳密な波動方程式である。
FFT-BPMの計算モデル 計算の流れ

(2)  光分布を屈折率の異なる媒質の領域毎に分け、往路、復路毎に伝搬計算。周波数特性の違いから屈折率界面への入射光を往路側の透過光とエバネッセント光、復路側のフレネル反射光と全反射光の4つに分類し、それぞれをBabinetの原理に基づき伝搬、合成する(エバネッセント光は全反射光を放射しながら減衰する成分)。フレネル反射を考慮するので偏光が扱える。相補的な領域を通過する光分布を合成するプロセスはBabinetの原理と同じで、演算に伴うエネルギー変化が極めて小さい(エネルギー保存がほぼ満たされている)計算法である。
wsbの計算モデル

(3)  上図に於ける各光分布の計算式を下記に示す。
wsbの計算式

(参考)  Babinetの原理
相補的スクリーンA’,A”による回折では回折光の複素振幅をuA’,uA“としてuA’+uA“=uAが成り立つ。
バビネの原理

2. 境界条件の種類、PBCとABC   ▲top

境界条件が周期境界条件(PBC)の場合。
境界条件がPBCの場合の計算例

境界条件が吸収境界条件(ABC)の場合。
境界条件がABCの場合の計算例

3. 透過光、反射光の計算   ▲top

光の伝搬を透過側(往路側)と反射側(復路側)に分けて計算し、合成する。
透過側(往路側)
光の伝搬が透過側(往路側)の場合

反射側(復路側)
光の伝搬が反射側(復路側)の場合

透過と反射の合成。
透過と反射を合成した場合


4. Snellの法則と偏光の計算   ▲top

BPMにはスカラー計算であるFFT-BPMやベクトル計算であるFD-BPM等の手法がある。 FD-BPMは偏光の問題を扱えるが、波動方程式でフレネル近似(2階の偏微分項の省略)をするため、Snellの法則を満足できない。 FFT-BPMは(a)式に基づくので2階の偏微分項の省略はないが、屈折率分布を基準の屈折率からの差分と捉え、複素伝搬定数がこの基準の屈折率で表されるのでSnellの法則を満足していない。 これに対し、Wsbは複素伝搬定数をそれぞれの領域の屈折率で表現し(上述のBabinetの原理のプロセス)、(a)式を基に(b)~(f)の式を立てるので、Snellの法則を正確に表現できる。さらに式(c)を考慮することで下記に示すように屈折境界面での偏光を扱える。
角度をなして屈折境界面に光が入射する。
角度をなして屈折境界面に光が入射する計算モデル

偏光に対する反射率の角度依存性
偏光に対する反射率の角度依存性の計算結果

5. 遠方界の計算、下面側と上面側   ▲top

下記のモデルで上下面方向の遠方界が計算される。
遠方界の計算モデル

下面側の遠方界。
下面側遠方界パターン

上面側の遠方界。
上面側遠方界パターン

6. 光量計測   ▲top

各材料や領域の入出光量や吸収光量が個別に計測できる。
計算モデル

各材料領域での計測結果
光量の計測結果

7. 多彩な断面構造の表現   ▲top

内部定義の場合
内部定義の場合の断面形状例

sub.datを使った外部定義の場合
sub.datで記述された(x1,y1), (x2,y2), (x3,y3), (x4,y4)の4点の囲む図形が定義できる。
外部定義の場合の断面形状例1

4点データを重ねた場合。これらの周期パターンも簡単に定義できる。
外部定義の場合の断面形状例2

8. レンズ集光の計算   ▲top

内部定義による円構造の集積によりレンズ形状を表現
内部定義によるレンズ集光例

外部定義による断面構造の集積によりレンズ形状を表現
外部定義によるレンズ集光例

9. 計算結果の可視化   ▲top

実行時にWscntが起動し、リアルタイムに計算結果を表示
Wscntによる光強度分布の表示例

10. 出力ファイル   ▲top

Source setting画面の結果ファイルボックス内の項目をダブルクリックすることで表示される内容を基に、各出力ファイルの内容を説明する。
Source setting画面の結果ファイルボックス

wsb.out 計算結果。
wsb.outの情報画面

wsb1.out 計算結果の抽出。
wsb1.outの情報画面

i_xy.out 光強度のxy断面分布。
i_xy.outの情報画面

i_xy.outの説明図

描画例

i_xy_f.out  往路合計光強度のxy断面分布(ncy>=3)。
i_xy_f.outの情報画面
i_xy_f.outの説明図

i_xy_b.out  復路合計光強度のxy断面分布(ncy>=3)。
i_xy_b.outの情報画面
i_xy_b.outの説明図

i_xz.out 光強度のxz断面(y=csy)の分布。
i_xz.outの情報画面
i_xz.outの説明図

描画例
i_xz.outの描画例

i_yz.out  光強度のyz断面(x=csx)の分布。
i_yz.outの情報画面
i_yz.outの説明図

描画例
i_yz.outの描画例

i_z045.out 光強度の軸回りに45度回転したz軸断面分布。
i_z045.outの情報画面
i_z045.outの説明図

描画例
i_z045.outの描画例

i_z135.out 光強度の軸回りに135度回転したz軸断面分布。
i_z135.outの情報画面
i_z135.outの説明図

描画例
i_z135.outの描画例

a_xy.out 光吸収のxy断面分布。
a_xy.outの情報画面
a_xy.outの説明図

描画例

a_xz.out 光吸収のxz断面(y=csy)の分布。
a_xz.outの情報画面
a_xz.outの説明図

描画例
a_xz.outの描画例

a_yz.out 光吸収のyz断面(x=csx)の分布。
a_yz.outの情報画面
a_yz.outの説明図

描画例
a_yz.outの描画例

a_z045.out 光吸収の軸周りに45度回転したz軸断面分布。
a_z045.outの情報画面
a_z045.outの説明図

描画例
a_z045.outの描画例

a_z135.out 光吸収の軸周りに135度回転したz軸断面分布。
a_z135.outの情報画面
a_z135.outの説明図

描画例
a_z135.outの描画例

i_far.out ファーフィールド強度分布出力。
i_far.outの情報画面

描画例
i_far.outの描画例