● 1. フレネル反射の角度依存性
● 2. エバネセントによるトンネル効果
● 3. 反射防止構造による反射率特性
● 4. 15度傾斜の透過面による反射、屈折
● 5. 30度傾斜の透過面による反射、屈折
● 6. 45度傾斜の透過面による反射、屈折
● 7. 60度傾斜の透過面による反射、屈折
● 8. エバネセントによるトンネル効果と多重反射
● 9. 材料の分割検出の比較計算
● 10. シミュレータ比較
追加情報
● 11. 光強度分布 New 2024/11/12
配布zip内のフォルダ¥Ws_soft¥Samples¥Comparisonの中のデータに基づき下記の比較計算を行なう。
1. フレネル反射の角度依存性 ▲top
● SiO2/Airの境界面に入射する光の反射率を入射角をパラメータにして比較計算する。いわゆるフレネル反射の角度依存性の問題である。
● P偏光での計算結果を比較。Wsb,Wsf,Wsrともほぼ一致する。Wsfに関して35度付近で浮き上がりが発生するのは反射光と光源の干渉の影響(この影響を極小化するため入射光をパルスにして計算)。Wsb,Wsfに関して45-50度付近に丸みが発生するにはビーム径の小さいことで入射光に発散角成分が含まれるため。
● 演算時間と消費メモリを比較。
2. エバネセントによるトンネル効果 ▲top
● SiO2/Air/SiO2のギャップ構造に45度入射するP偏光の光の透過率をギャップ厚をパラメータにして比較計算する。上面側のSiO2からAir側に入射する光のエバネッセント成分が下面側のSiO2にどれだけ吸い取られるかというトンネル効果の問題である。
● Wsf,Wsrはガウス曲線に沿った減衰、Wsbは指数関数的減衰という違いはあるが、いずれもエバネセントによるトンネル効果を表現できている。
● 演算時間と消費メモリを比較。
3. 反射防止構造による反射率特性 ▲top
● SiO2の矩形断面格子構造に垂直入射するP偏光の光の反射率を格子深さをパラメータにして比較計算する。
● 反射率を極小にする深さはWsb,Wsf,Wsrともほぼ一致する。
● 演算時間と消費メモリを比較。
4. 15度傾斜の透過面による反射、屈折 ▲top
SiO2/Airの15度傾斜面に入射するP偏光の光の反射、屈折を計算する。
● Wsb(BPM)で計算する。
● 上の計算で反射成分だけを抽出する。
● Wsf(FDTD)で計算する。
● Wsr(RCWA)で計算する。
● 演算時間と消費メモリを比較。
5. 30度傾斜の透過面による反射、屈折 ▲top
SiO2/Airの30度傾斜面に入射するP偏光の光の反射、屈折を計算する。
● Wsb(BPM)で計算する。
● 上の計算で反射成分だけを抽出する。
● Wsf(FDTD)で計算する。
● Wsr(RCWA)で計算する。
● 演算時間と消費メモリを比較。
6. 45度傾斜の透過面による反射、屈折 ▲top
SiO2/Airの45度傾斜面に入射するP偏光の光の反射、屈折を計算する。
● Wsb(BPM)で計算する。Wsbは水平方向(z軸直交面方向)に伝搬する光を扱えないので、水平方向に伝搬する反射光は現れない。
● Wsf(FDTD)で計算する。反射光は現れるが、反射面が階段状なので一部散乱する。
● Wsr(RCWA)で計算する。反射光は現れるが、反射面が階段状なので一部散乱する。
● 演算時間と消費メモリを比較。
7. 60度傾斜の透過面による反射、屈折 ▲top
SiO2/Airの60度傾斜面に入射するP偏光の光の反射、屈折を計算する。
● Wsb(BPM)で計算する。反射光は現れるが、反射面が階段状なので一部散乱する。
● Wsf(FDTD)で計算する。反射光は現れるが、反射面が階段状なので一部散乱する。
● Wsr(RCWA)で計算する。反射光は現れるが、反射面が階段状なので一部散乱する。
● 演算時間と消費メモリを比較。
8. エバネセントによるトンネル効果と多重反射 ▲top
Al表面とSiO2/Air/SiO2のギャップ構造面の間で45度反射を繰り返す計算をする。
● Wsb(BPM)で計算する。干渉設定(ity=1)にしているので、入射光と反射光による干渉縞は正しく計算される。比較として、上の図は非干渉設定(ity=0)で計算しており、入射光と反射光は強度和で処理され干渉縞は現れない。
Wsemsでのity=0,1の設定画面
● Wsf(FDTD)で計算する。
● Wsr(RCWA)で計算する。
● 演算時間と消費メモリを比較。
9. 材料の分割検出の比較計算 ▲top
SiO2中に配置されたレンズ下の棒状Si材を上下に分け、P偏光の光の入射角をパラメータに上半分のSi材での上下境界面透過光量と吸収光量を計算比較する。ただし、この計算は空気以外に3種類以上の材料指定をしているので購入が必要である。 (
インストールと基本的な使い方・制限条件参照)
● Wsb(BPM)で計算する。
● Wsf(FDTD)で計算する。
● Wsr(RCWA)で計算する。
● 演算時間と消費メモリを比較。
10. シミュレータ比較 ▲top
● 演算対象
Wsf(FDTD),Wsb(BPM),Wsr(RCWA)とも同じ対象を演算できる。
● 演算速度
Wsfを基準にするとWsbは100~300倍、Wsrは1~10倍速い。
● メモリ消費
Wsfを基準にするとWsbは1/10~1/300倍(2次元計算では1~1/10)、Wsrは1~10倍のメモリが必要。
11. 光強度分布 ▲top
3つのソフトにはSource setting画面のIntensity typeボックスで強度分布の表示にE(電場強度)、H(磁場強度)、E+H(電磁場強度)のパラメータが設けられている。配布zip内のフォルダ¥Ws_soft¥Samples内のwsf08,wsr08,wsb05を例に比較する。
● Eで比較する。
Wsf(FDTD)の場合
Wsr(RCWA)の場合
Wsb(BPM)の場合
● Hで比較比較する。
Wsf(FDTD)の場合
Wsr(RCWA)の場合
Wsb(BPM)の場合
● E+Hで比較する。
Wsf(FDTD)の場合
Wsr(RCWA)の場合
Wsb(BPM)の場合
WsfとWsrでは強度分布の表示にPoynting vector強度のパラメータも設けられている。
● Poynting Vectorで比較する。
Wsf(FDTD)の場合
Wsr(RCWA)の場合